友達の結婚式。
7月20日(木)
先日、
大学時代の友人の結婚式へ。
すてきな式で、
行ってよかったと心から思えるあたたかな時間だった。
でも正直、行く前は少しどんよりした気分だった。
卒業して10年弱。
あっという間の日々。
私が在籍していたコースには10人の仲間がいた。
すごく仲がよかった。
前期と後期にそれぞれ行われる実技試験。
その後には必ず、みんなで打ち上げをしていた。
他の学年の人に言うと驚かれたけれど、ピアノは大体ソロで演奏することが多いので自分との戦い。
自分と戦いながらも、友達はライバル。
そう思うと、たしかにみんなで打ち上げというのは珍しいことだったのかもしれない。
友達はライバルと言いつつ、私はそんなことを思う余裕もなかった。
とにかく自分との戦い。
本番に向けて練習する毎日で、心が折れそうなこともいっぱいあった。
高校の頃、友達とかけがえない日々を過ごしたこともあってか、大学に入っても友達との時間は楽しかった。
恩師に、
「まめまるさん(私)はもっと闘争心を持たなきゃだめよ」
と言われたこともあった。
たしかに成績優秀な先輩なんかを見ていると、同じコース全員で打ち上げなんてありえないみたいな人もいたし、表面上仲良しでも水面下では…みたいな例もよく見た。
でも卒業するまで、私たちは変わらなかった。
この代で4年間過ごせてよかった、このメンバーだからやってこられた、と心から思った。
卒業して、みんな別々の道を歩き出した。
大学院に進む人、留学する人、先生になる人、全く違う職業に就く人…
私は、何をしたいのかわからなかった。
音楽への未練がありながらも、全く関係のない仕事を始めた。
それから3年程経過した時。
みんなで久しぶりに集まろうということになった。
私は当時働いていたお店の商品を、みんなへのおみやげにした。
全く音楽への未練なく他の仕事を楽しそうにしている友達、大変そうながらも充実していそうな友達…
自分はその時の自分に納得していたはずなのに、劣等感みたいな気持ちが湧いていた。
今思えば、隣の芝生は青い みたいなことで、みーんなそれぞれに悩みとか沸々した気持ちを持っていたんだろうなー。
たしかそういう話もした気がする。
でもその時の私にはわからなかった。
それから、みんなと連絡をとることがどんどんなくなっていった。
何が嫌かって、友達に対してそういう負の感情を持っている自分が嫌だった。
ある時ふっと、
これが友達へのライバル心なのかな…?
そう思った。
そうか、ついに私も平和主義だけじゃなく、闘争心が生まれたのか!友達に対してこんな気持ちって初めてに近いし、これを機にもっと濃い演奏ができるようになるかもしれない!
この気持ちがたとえ間違っていたとしても、今はこれを糧にするしかない
そんな気持ちだった。
今回結婚式に出席させてもらうまで、ほとんどみんなと会うことはなかった。
式場で一人二人と懐かしい顔を見つける。
うれしくて、自然と小走りになる。
「久しぶり〜!元気だった??」
もう話が止まらない。笑顔も止まらない。
みんな、全然変わってなかった。
自分が闘争心と思っていたものは、自分が自分に作ってあげた逃げ道だった。
結婚式が終わり、しあわせな気持ちのままみんなでファミレスでお茶をした。
学生時代の打ち上げの時みたいにガヤガヤした時間。
あの頃と変わったことは、話の内容が大人になったこと。
仕事のこと、健康のこと、恋愛のこと…
尽きない話をたくさんした。
闘争心はたしかに大切だけれど、やっぱり私にはあまり向いていないような気がする。
そんなことに、31歳でようやく気付いた。
自分にないものを探して追い求めて、そういうものがないと魅力的な演奏はできないと思い込んでいたような気がする。
でも、自分は自分。
この10年くらいで一周して、ようやくまた戻ってきた気分。
やっぱり私は、仲間とかつながりとかそういうものが大切だし、生きていくエネルギーなんだと思う。
自分に対する闘争心は持っていたいけれど、仲間とは、共有とか、みんながんばってるなー私もがんばろうみたいなものを求めてる。
結婚式に出席させてもらったおかげで、気持ちが明るくなった。感謝。
またみんなで会いたいなー。